代表メッセージ
本当に困ってるひとの手助けができないか
創業はいつ、どのようなきっかけで?
2007年に縁あって、介護の世界に飛び込みました。
当時の施設型介護施設では、数百万からかかる高額な入居一時金によりサービスを受けることができない介護難民がたくさん溢れていました。そこで知り合いのマンションオーナーと相談して空き部屋を活用した、高齢者向けの共同住宅をオープンしました。
費用や条件の面で介護施設に入ることができない高齢の方やそれを支える家族の苦労を目の当たりにしたときに、本当に困っているこういったひとたちの手助けができないかと感じました。そこで、当時の国の介護制度の中で受け入れることができる方法はないかと役所の担当者さんといっしょになって考え、高齢者専用賃貸住宅+訪問介護で安心して生活いただける施設としての運営をはじめましたんですよね。 運営しているうちに介護保険制度の改定などを経て、介護の世界の現状がわかり、課題とともにもっとこうしたらというアイデアがたくさん浮かんできました。
わたしは自身の祖母を介護施設で亡くした経験があります。かつての業界ならではの固定概念による利用者の不便などが起こらないように、日常生活動作(ADL)に合わせた介護サービスや福祉用具の利用、利用者さまの立場に立った生活しやすい環境を提供したいという思いがあります。
創業前はどんなことをしていましたか?
相模原で飲食店の運営を数件やっていました。
わたしは地域の飲食店のプロモーション活動を支援するビジネスをしていました。
介護とは全く異なる業界でのお互いのそれぞれのご縁は、いまの会社運営にとてもいかされていて皆さんに支えられ運営しております。
介護事業介護福祉業界の固定観念を打ち破る世界観
介護をビジネスとしてどのように捉えていますか?
日本は超高齢化社会といわれ、数年後の2025年には、約800万人に及ぶ「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者になります。さらに65歳以上の高齢者を含めると、国民の約30%が高齢者になります。そして2040年には第二次ベビーブームに生まれた「団塊ジュニア世代」が65~70歳になり、65歳以上の高齢者人口は35%以上になると予想され、ここがピークとなります。今後介護に対する労働力不足は深刻となり、社会保障財源はひっ迫するといわれています。
年度 | 65歳以上の高齢者人口 | 65歳以上の高齢者の割合 | 必要な介護職員数 | 介護職員の不足人数 |
---|---|---|---|---|
2019年 | 3588万人 | 28.4% | 211万人 | ― |
2025年 | 3677万人 | 30.0% | 243万人 | 32万人 |
2040年 | 3921万人 | 35.3% | 280万人 | 69万人 |
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000207323_00005.html
ビジネスとして拡大していくことはではありますが、この急速な高齢化によって働き手の確保が我々の業界にとって急務です。正直言って、ここまで人材の確保に苦労するとは思ってもいませんでした。リープスでは、介護職員の処遇改善措置や離職した介護人材の復職支援などの施策のほか、介護職を目指す新しい若手人材が安心して働ける環境づくりにも力を入れています。
介護福祉業界での難しさはありましたか?
参入した当初は、働き手の皆さんとの衝突もありましたね。介護現場の重責と労働量は大変なものですが、介護のしごとの認知度はまだまだで所得も低く3K職場と言われるような時代でした。こういった状況を打開したいという思いは当時からありましたね。
2015年にあったスプリンクラー設備の設置基準の見直しにより、各施設の改修で多額の費用がかかりました。思い切ってその後からは、新築住宅での展開を計画するようになっていきました。このように法改正によってさまざまな変化を経験しながらも事業拡大していったような感じです。
今後の企業成長を見据えて本社を移転
本社移転の狙いは
新たな人材の確保のためです。「住宅型老人ホーム」「訪問介護」「介護用具販売」と展開しながら、「障がい福祉」ビジネスへと参入していきました。大きく分けて介護事業と障がい福祉事業に分かれて展開していたが、業務上、社内の連携が取りづらくなっていました。同じ会社組織で同じ環境下にありながら事務所が分かれていたため分断されていました。今後新たな人材を確保しつつ、働く皆さんの連携を重視してミーティングや意思統一が取りやすい環境にするために本社移転とともに管理機能を統合しました。
また今後この本社は、多くの皆さまに開かれた場所として、地域の皆さまをお招きして夏まつりや福祉用具フェアや障がい者アートギャラリーなどを開催していきたいと考えています。
相模原地域に根差したユニークな事業展開
パンの店「セルンtheフォレスト」開業の目的について
リープスのことを幅広い地域の皆さまに知ってもらうために開業しました。介護への取り組み、障がい福祉への取り組み、食の安全への取り組み、SDGsの取り組みなど株式会社リープスとしての姿勢や取り組んでいることを地域の皆さまへお伝えする場としてのお店です。地域に根差した会社として、リープスのシンボル的な存在として捉えています。
介護や障がいのしごとは、外からは知ることができないものです。開かれた店舗でリープスの社員の働きかたや会社の姿勢を見ていただき、どんな会社か知っていただきたいと思っています。
今後の事業展開について
高齢化社会につき、事業者が増えています。競争が激化しているので、この10年間で勝てる強い企業になりたいと考えています。この先も施設を増設して、利用者さまの受け入れキャパシティを増やしていきます。そのためにも人材確保と人材教育には力を入れていきます。
障がい者の活躍の場にも注目しており、パンの店「セルンtheフォレスト」は就労継続支援B型事業所が隣接しています。社会の一員として、様々な作業をしながら就労の経験ができます。今後は新たな取り組みとして「バリアフリーeスポーツ」「パラダンススポーツ」「メタバースの中のバーチャル店員」などにも挑戦していきたいです。
事業拡大に向けて多様性のある人材を
今後、目指す会社の姿
サービスの利用者さまの利便性や幸せを考えることは、会社として当然のことです。我々は、はたらくひとの幸せのための会社運営を目指しています。これができていないと、利用者さまに正しいサービスを提供することはできません。
例えば新卒で入社した方が、恋愛をして結婚をして、家を建てて幸せな家庭を持つというライフスタイルの充実の中で会社とともに成長していけるよう会社としてサポートしていきたいのです。例えば有休をうまく活用して3日間のフジロックフェスに行ってリフレッシュしてくるとか。とにかく充実した生活の中ではたらいて欲しいのです。
これまで駆け足で事業をつくってきたため、現在リープスでははたらく環境の整備を進めています。具体的には、人事評価制度、専門の講師をお呼びして新人教育カリキュラム、福利厚生として、パン屋の社割利用、福利厚生代行サービス、休憩中の食事一部負担なども導入中です。
そこに必要な人材は?
即戦力として介護や福祉業経験者は貴重な存在です。現場でよりよいサービスを提供できるように、これまでの経験をいかして活躍していただきたいです。また、わたしたちがそうであるように、異業種からの多様な人材の活躍にも期待しています。会社の事業展開に合わせて、はたらくひとたち個々のパーソナリティを尊重した「個の集合体」にしていきたいと考えています。さまざまな業種を経験してきた人材の能力をいかして、介護や障がい福祉に限らず広く事業展開をしていくためにも多様な人材が必要です。
自分の心に正直なひと、そんなひとと仕事をしたいですね。